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魔法の右手
第6章 優しくしないで
暫く依莉は俺の胸で泣いていたが、顔を上げて、
“なに言ってるの…?”
とばかりに驚いていた。


自分で言っておいて、好きな女に“利用しろ”とは自分でもどうかしてるとは思う。


だが依莉はいつもは強気なくせに、自分の事より他人を優先して自分の思いを溜め込むところがある…。

だから…利用されてやる…俺を利用すればいい…
依莉が幸せであって欲しいから…純粋にそう思って依莉に伝えた。




「……、、、私…家庭を持っている人を…好きになったの…。
人としては間違っている事は…頭ではわかってるわ……
でも…理屈じゃ無いの…
だからこんな女に馬鹿なことは言わないで……。」




漸く依莉の本心が聞けた…。




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