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魔法の右手
第2章 曖昧
「店長。レジ閉め終わりました。」



「ありがとう。依莉は今日はもう上がり?」



「はい。後輩から珍しく、練習のお誘いが無かったので」



「じゃあ飲みに行くか…」



…断ればいいのに…なんで私は断れないんだろう…



店長は誰に対しても優しくて、後輩思いで、なにより、私は営業中の店長がお客様に対する会話、そして目が離せなくなるほどの美しいデザインにいつも目が奪われて憧れていた。



私もあの手が欲しい。いつもそんな事を考えて目で追っていた。



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