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タワーマンションの恋人
第13章 * 痕跡
彼にひとしきり抱かれると頭がすっきりするなんて言ったら、おかしいのかもしれないけど、もやもやしていたものがどこかへ飛んでいくような感覚がある。
「俺だけを見てろ。」
彼の強くて鋭い言葉は素直に胸に入り込む。
「シュウタくんは、すごいね?」
「なんで?」
ベッドで余すことなく抱かれた後、そっと呟けば少し眠そうに彼が言う。
「大人の余裕?なんか、わたしの悩み全部消してくれる気がする。なんか、すっきりする。」
そう伝えると、彼の腕の中に閉じ込められる。
「それは良かった。」
静かにそう言って、額にキスがおりてくる。
「このまま、眠りたい。」
「うん、いいよ、寝て。」
彼の吸い付くような肌を感じて、そっと目を閉じた。
「おやすみ。シュウタくん。」
気の許せる甘えられる存在、なんだか少し充電させてもらったような気持ちで眠りについた。
きっと、大丈夫。
またわたしは、頑張れる。