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タワーマンションの恋人
第18章 * more
「華、ごめんね疲れたよね。」
次の日の夕方、また彼は仕事の為、出発の準備を始めた。
「ううん?わたしはシオンのことが心配なんだけど大丈夫?身体。」
「うん、全然。俺若いからね。」
そう言ってクシャリと笑うシオンは可愛らしくて、数時間前までわたしを抱き倒していたのが嘘みたいで。
「シオンって…すごいよね、色々。」
「別に誰でもあんなに欲しないよ?ただ、華は目の前に居たら抱かなきゃ、って思う。抱き貯め?っつうの?華と急に会えなくなっても後悔しなくて済むように。」
「なにそれ、寂しいこと言わないで?」
「華が、この仕事辞めたくなる時が来るかもしれないじゃん。」
「大丈夫だよ?辞めない。寂しいもん。」
「たまに、不安になるよ、俺。華に突然会えなくなるんじゃないかって。」
そこまで言って、帽子を被って振り向いた。
そっと抱き寄せられるから身を任せる。
「またね。」
「うん。待ってるね。」
「ゆっくり休んでね。」
そう言っておでこにキスを落としてくれる。
「こんなに夢中になった人、華が初めてなんだ。」
そう呟いてにっこり笑って彼は仕事に向かっていった。