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タワーマンションの恋人
第19章 * star prince
夕飯の食器を洗っていると突然大きな声が聞こえた。
『あーーーー!!』
「へっ?!なに急に?!」
振り向いたハルキが大きな目を更に大きくして言った。
『今日、七夕だよ、華ちゃん!』
「あー確かに!今年晴れてるねっ。」
そう言うとハルキは嬉しそうに笑って「ちょっと待ってて!」とスマホだけ持って部屋を出て行った。
「え?ハルキ?!え、ちょっまって、」
一人で部屋に取り残されなんだか急に寂しくなって、さっきまでハルキの居たベランダに出ると、部屋でスマホの着信音がなった。
「あれ、ハルキ…?」
ハルキからの着信音に出ると『華ちゃん、屋上まで来れる?』そう言われて戸惑う。
「え、でも…っ」
わたしは彼らと一緒に居るとき、部屋から出てはいけない。
彼らと一緒になんて以ての外だ。
『大丈夫。今、コンシェルジュさんに頼んで屋上貸し切りにしてもらってるから。誰にも見られないよ。』
「ハルキ、」
『待ってるからね。』
そう言って切れた通話、戸惑いながらもわたしは恐る恐る玄関を開けた。