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タワーマンションの恋人
第22章 * romantic rival
「うん。」
「お前は?フミヤ。」
そう聞かれて自ずと言葉が出て行く。
「俺も、華のこと好き。すごく好き。」
「だよな。…同じ人を好きになるなんて、きっと普通に生きてても起こりうることだろ?そう思わない?俺たちが特別じゃないだろ。」
「まぁ、確かに。」
「こんな特殊な仕事してるし感覚狂うけどさ、普通にライバルっつうことでいいんじゃねぇの?だめ?」
そう言われて笑ってしまう。
「まぁ、確かに?」
「今まで口にしなかったけど、フミヤのこと俺は親友だと思ってるよ。弟であり、親友であり、これからはライバルかな、って。」
そう言われて目頭に熱いものがたまる。
「俺も、ケイタのことは親友だと思ってるよ。兄貴であり、ライバル?なんていったらおこがましいかなって。思ってる。」
「お前はライバルだよ。一番大事で一番に負けたくねぇ。」
「その言葉そのまま返すよ。」
そんなことを話して、昨日から俺は泣いてばかりで。
俺は、自分のことを良い人だと、優しいだけが取り柄くらいに思っていたのに、この日はしっかりと人の優しさに触れて泣いたんだ。
「これからも変わらない。華への気持ちも、俺たちの関係も。」
俺は親友と同じ人を好きになりました。
だからこそ、もっともっと輝きたいと思ったんだ。
親友に負けないように、好きな人に褒めてもらえるように。
男として、人として、俳優として、
もっともっと高見に行きたい、そう心に誓ったんだ。