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タワーマンションの恋人
第23章 * double bind
そのまま抜かず奥を探るように更に深く打ち込めば、
一度イって敏感になった彼女は甘い吐息をもらして目を閉じた。
そんな彼女の頬を撫でてキスを交した。
今、本能に忠実に激しく抱いてしまったら彼女が壊れてしまう気がして出来るだけゆっくり優しく絡んだ。
いつもそうだった。
こんな可愛い表情を、こんな綺麗な身体を他の人にも見せているんだ…。と言う思いはいつもどこかにあった。
考えないようにしていた時もあったけど、考えないようにするというその意識が今の彼女を否定してるような気がして。
だから辞めたんだ。
頭の隅で渦巻く嫉妬や、たらればを無いもののように扱うことを。
俺は嫉妬してるし、できれば他の人に触れてほしくないと思う。この無駄な妬きもちで苦しくなる時だってある。
彼女が他の人とどんな関係なのか、心持ちなのか、それがわからなくて俺だけがこんなに好きを拗らせてるんじゃないかと、辛いときもあった。
だからこんな気持ちに気が付かないように、無いものとしてきた。
目の前の彼女だけを見て信じるなんてこと、本当はすごく難しいんだ。
それは好きだから。
だから、その気持ちと俺は向き合うし、心の中にあるものとして隠さない。
きっと彼女は、華ちゃんは、もっと色んな気持ちと向き合って居る、この仕事をしながら。