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タワーマンションの恋人
第23章 * double bind
シュウちゃんとすれ違った時、彼の髪からふわりと香ったのは華ちゃんと同じシャンプーの匂いだった。
すごく好きだから反応してしまったんだ。
一瞬、ドキリとしたけどシャンプーが被るなんて良くあることだし、たまたまだろうとあまり気に止めないことにした。
ただ、なんとなく感じた勘みたいなこの胸のざわめき、俺意外と当たるんだよね、なんて。
「シュウちゃん、俺ね、しゃぶしゃぶ食いたい!」
「はいはい。ってかハル、お前さ、他の出演者の方来たら本当にシュウちゃん呼びやめてな?」
「了解でーすっ。」
「本当にわかってんのかよっ」
そんな会話をして笑ったんだ。いつもよりちょっと大袈裟に。
そうしてないと、ざわめきに支配されてしまいそうだったから。