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タワーマンションの恋人
第24章 * sovereign remedy
転機を迎え環境は一変した。
特別なことをしなくても人が寄ってきたし、もちろん女の子には困らなかった。
いつも身の回りで1番可愛い子と付き合ったけど、いつもどこかしらで、醜い部分が見えてしまう。
性格でも、所作でも。
そうなると気持ちは切れてしまい、好きとか嫌いとかいう甘い気持ちは消え失せてしまう。
「リョウマ、本当にチャラいよな」
「チャラい?やめてよ、そんな言葉。俺は……」
そうじゃない。
ただ、みんな美しくないだけなんだ、超える存在が欲しいだけなのに。
「俺より綺麗な子としか、付き合いたくないんだよね。」
顔も、心も。
「そりゃ、ハードル高いなぁ~」
笑う友人の声を聞きながら、俺も同意だった。
世の中、歳を重ねるにつれ美しくないものばかり目に入る、悲しいことに。
それから程なくして、俺は大森さんにスカウトされて芸能界に入った。
顔に見合ったキャラクターを与えられ、すぐにティーン誌のモデルオーディションに受かり、今のところ苦労することなく、仕事をさせてもらっている。
そして、出逢ったのが華だった。