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タワーマンションの恋人
第24章 * sovereign remedy



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「リョウちゃん?ぼーっとしてる。」


「あっ、ごめん、時差ボケでさー。」


おかげで帰りの飛行機は微睡むたびに過去と現在を行き来していて、なんだか頭がすっきりしない。



「写真集の撮影だよね?いいなーフランス。」


「あ、そうだ!華にお土産買ってきたんだー!」



お菓子やコスメをローテーブルに並べると、華は子どもみたい目をキラキラさせてそれらを眺めた。


「あと、これが一番のおすすめ!」

ガラスのボトルを渡すと「わっ!可愛いっ!」と更に目を輝かせた。


「それね、ボディオイルなんだけどすごくたくさん種類があって、華に似合いそうな香り、選んできた。あと、同じ香りのボディソープとバスボム。」


「リョウちゃんは本当にセンスがいいよね。いつもかわいいものありがとう。…すごくいい匂い!本当に嬉しいっ!ありがとうっ。」


そう笑う彼女をみるだけで、最近は癒やされてしまうから相当惚れているのだろう。

惚れてる、なんて言葉とはまたちょっと違うのかもしれない。


すごく慕っている、大切に思っている。


「俺もね、ここのオイル買ったんだ。」
そう言って鞄から同じボトルを取り出した。


「華、手貸して?…香りはあげたやつとはちょっと違うんだけど。」 
そう説明して彼女の手にオイルをたらした。


「わっ…リョウちゃんのもいい匂いだねっ」

「華のは、フラワーベースなんだけど俺のはハニーベースの香りなんだ。」


彼女の白くて細い手にそっとオイルを塗っていく。



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