パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第25章 *　happy end

「ナナミがこの仕事を始めた頃から、贔屓にしてる人が居たのよ。誰かわかる？」


ナナミさんと話していると彼女の部屋に通う俳優さんたちの名前が何人か出てきた。

でも、一番の想い人と思われる人の名前はなんとなくウヤムヤになっていて、よっぽど大物なんだろうな、と勝手に想像していた。


「…全然検討がつかないです…。」そう言って首をひねれば奥原さんは笑ってわたしに囁いた。


「池澤よ、朝ニュース見たかしら？」

「…えっ？！えっー？！うそ、えっ？！ナナミさん…すごいっ…え、嬉しい…」


頭の中でピースが繋がった。
ナナミさんが沢山のイケメン俳優の中で想いを寄せていた人、名前を出すのも照れてしまうような相手。
名前は出さずとも、想い人への甘い気持ちは何度か聞いていた。
それが、その相手が池澤さんだったのだ。


沢山、わたしを救ってくれたナナミさんが結婚する。


大好きなナナミさんが幸せになる、それが嬉しくて感慨深くて不意に涙が溢れてくる。


「…よかったぁ…ナナミさん、幸せになるんですね、」


「ここに来るまでたくさんのことがあったけど、ナナミも、池澤も頑張ったのよ。結果と利益を残せば、うちの事務所は結婚を認めるから。池澤は、もう日本を代表する俳優になった。女性人気だけに頼らず、これからも実力で仕事を取れる、それが事務所の判断なの。」


「すごい…。ナナミさんと結婚するために…？」


「そうよ。」


そんな話を聞いて更に涙が溢れた。