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タワーマンションの恋人
第25章 * happy end
「未来は華が作っていけるよ。今まで、わたしの言葉っていまいち説得力なかったかもしれないけど、こうして行動で証明出来たら、少しは華の希望になれるかなって。」
その言葉に鼻がツンとして泣きそうになる。
情緒を乱して、よくナナミさんに話を聞いてもらっていたわたしにこうして明るい未来を見せてくれている。
「ありがとうございます、ナナミさん…。本当に…。」
「華、わたしは結婚しても華の友達だからね?」
「ナナミさんっ…。大好きです…。幸せになってくださいっ…。」
「次に幸せになるのは華だよ。」
そう言って髪を撫でられれば、まるで子どものように泣いてしまった。
あまりに美しすぎる、この仕事のハッピーエンドを見せてもらい、心にあった漠然とした不安、見えない先に一筋の光がさした気がした。
「ナナミさんっ…だいすきです〜!」
「もう、泣かないのっ!」
好きな人、とか、恋愛とか結婚とかわたしにはまだまだわからないけど、それでもこの仕事の先が見えて、わたしは本当に救われた。
ハッピーエンドを体現してくれたナナミさん、そして現在も働き続ける奥原さん、どちらの女性も大好きで尊敬できる人だから、わたしはこの仕事に誇りを持って、もう少し頑張ろうと思えたんだ。