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タワーマンションの恋人
第25章 * happy end




「いつもナナミさん綺麗だけど、今日は一段と綺麗です。」


そう伝えると彼女は柔らかく笑って、もう一度わたしを抱きしめてくれた。


「華、これから大切な話をするね?」


「ナナミさん?」


ふたりでソファに腰掛けると、ナナミさんはゆっくりと話始めた。


「わたしたちの仕事は…2つの道があるの。わたしも先輩に教えてもらったの。」


「ふたつの、道?」


「結婚、できるの。昔の花魁とかの時代でいう、水揚げっていうのかな。相手が頑張って、事務所の許可が出れば、わたしたちは“一般人女性”っていう肩書を与えられて、結婚を認めてもらえるの。」


あぁ、確かにそうだ。
朝、キャスターは池澤さんのお相手を一般人女性と紹介していた。



「華、好きな人、作っていいんだよ。きっと今回わたしたちの結婚で、男の子たちもこの仕組みを意識し出すと思う。事務所に貢献するほどの早く認めてもらえるから。」


「好きな人…」


「でも、必ずしも気持ちと相手の頑張りが比例するとは限らない。好きになった人、じゃない人に婚約を申し込まれて結婚していった先輩もいるから。わたしはたまたま、好きになった人が迎えに来てくれたけど…。」


「そう、なんですね…。」


「もちろん、婚約は断ることも出来るし、その後、一定の年齢になったら事務所のスタッフとして働くことも出来る。…ちなみに、奥原さんは、わたしたちの先輩なの。」



「…っ!え?!そうなんですか?!」



「そう。折を見て、話そうって奥原さんと相談してて。わたしの結婚が良いタイミングだからって話すことにしたの。」






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