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タワーマンションの恋人
第7章 * リョウマ
頭の上で両手を縛りつけられ、ベッドに繋がれる。
これが、リョウマの趣向。
「顔真っ赤。まだ慣れない?」
そう言って彼はベッドサイドから舐めるように見つめてくる。
片手で口元を隠して、見下ろしてくるのが彼のクセ。
あんなに可愛かった彼、キャラクターという名の仮面が割れていく音が聞こえる気がする。
「華は、会うたび綺麗になる。俺、綺麗なものが大好き。」
そう言ってついばむキスを落として笑うと、ドレッサーのそばに置いてあったかばんから何かを持ってくる。
「今日はいつもとちょっと違うこと、しよう?」
そう言って目を覆うようにアイマスクをつける。
「…へっ?」
「散々言ったじゃん?まだ、俺の趣向の半分も出してないよ。ってさ。」
「待って…?見えないの、ヤダ、」
手も動かない、視界も遮られている、それはひどく怖くて恐ろしかった。
唯一動く足だけがシーツの上をもがく。
「リョウちゃん…?どこ…?」
彼の微かな気配だけを感じようとする。
見えないということがこんなに怖いことだなんて思わなかった。
彼は、今どんな顔でどこにいるのだろう。
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