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タワーマンションの恋人
第8章 * ハルキ




「え?!わー!!!すげぇ!さすがタワーマンション!」

しばらく居心地悪そうに部屋を歩いた後、彼はとびっきりのおもちゃを見つけた子どものように窓に貼りついた。


「すっげぇ夜景!!こういうの見ちゃうとさ、都会だなぁ、って実感する。」

そう言う彼に近づいて隣から顔を出すと、彼の言う通り宝石を撒いたような夜景が広がる。

「ハルキくんも、ひとり暮らしだよ、ね?」

「うん。実家からも通えるけど、やっぱこの歳だし?ひとり暮らししてる。普通のマンションだけどね。ただ、ちょっと寂しいかな。地元が恋しくなるんだーたまに。」

「ハルキくんの地元はどんなところなの?」

ふわり彼を見上げると優しく視線が絡んでくすぐったそうに彼が笑う。


「俺の地元はねぇ、」

そう話し出した彼の背中を目で追い耳を傾ける。

「ここから電車で一時間も掛からないくらいの街といえば街だけど、田舎といえば田舎なんだよね。でも長閑で良い所。」

「へぇーなんか…わたしの地元と似てるかもっ」

彼の表現に共感して思わず笑顔になれば彼も「え、ほんとに?」なんて笑ってくれる。




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