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変質者の手毬唄・珍田一耕助シリーズ
第10章 「第2の犠牲者」
「いやぁ~、酷い雨でしたなぁ」
「そうですね、あんなに凄い雷雨は初めて経験しました」
「そういや珍田一さん、昨夜は随分遅くまで色っぽい声が聞こえてきましたなぁ…何処の娘さん連れ込んどったんです?ウヒヒ…」
「いやぁ…聞こえてしまいましたか…。昨夜はちょっと勝江さんと…」
「な、なんと…勝江さんですか!!珍田一さん…アンタも隅に置けませんなぁ…うひょひょ…。」
「実はワシの所にも今晩、女がやってくることになっとるんですわ…グフフ」
「えぇっ??警部もやりますねぇ!…で、どういう人なんですか?」
「ウヒヒ…ほれ、村長さんトコの女中…覚えてますかな?」
「ああっ!あのお尻の色っぽい…!!」
「しぃっ!声が大きいですぞ珍田一さん!」
「あっ、すみません…」
「その女中と小柳民吉の講演会で意気投合しましてねぇ」
「そうでしたか。いやぁ…女将の事で意気消沈してらっしゃったから、心配だったんですよ…良かった良かった。」
「グフフ…ご心配なく。ワシはそんなやわな男じゃありませんよ!」