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変質者の手毬唄・珍田一耕助シリーズ
第11章 変貌

珍田一が到着すると、間もなく詳しい現場検証が開始された


第一発見者は捜索隊の男達だった


3つの部隊に別れて捜索していた内の一番人数の少ない8人の男達の部隊である


8人は村の北側に住む20代~50代の男達だった



発見すると直ぐに辰雄や純一、晴海の兄である拓海達の率いる本隊に知らせたようである


やはり山岸蘭の事件の時同様、晴海の事件現場に到着した近藤拓海は取り乱したらしい


現場検証の妨げになるという事で、一部の男達と共に村の集会所に連れていかれてしまったそうである


時間と共に集まって来る村の男達の数は70~80人程になっていた


捜索隊以外の野次馬の大半は思春期の少年達であった


前回の山岸蘭の時に、その裸体を見る事が出来ず悔しい想いをした少年達も多かったのだろう


今回は前回のように早朝ではなかったので、多くの少年達が集まっていた


少年達からの好奇な視線は主に近藤晴海の下腹部に集中していた…

中年のネットリと絡みついて来るような視線とは異なり、少年達の視線はザクザクと突き刺すように晴海の性器を貫いた



しかし、今回の現場検証では、前回の事件現場とは明らかに違う点があった


珍田一の様子がどことなく消極的なのである


目の前に若くて美しい娘の裸体があるというのに、あまり手を出そうとしない


いつもなら誰よりも積極的に被害女性の身体中を調べるはずなのに、今回は磯毛警部や松木巡査に指示を出すばかりである


勿論、袴の股の部分は猛々しく隆起しているのだが、何かを押し殺すようにジッと堪えているようだった






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