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変質者の手毬唄・珍田一耕助シリーズ
第11章 変貌
「犯人は山岸蘭ちゃんの時と同じ人物なんじゃろうか?」
「間違いなく同一犯だと思うのですが…」
「珍田一さん…犯人は一体何がしたいんでしょうなぁ…」
「そこですよ…それがどうしてもわからないんです。2人共、乱暴をされたわけでも危害を加えられたわけでもないんです…ただ、辱めを受けただけだ…。」
「あれだけの美女2人に何もしないなんて、普通の男じゃ考えられませんぞ…」
「犯人は普通の男…ではないのかもしれません…」
「女だとでもいうんですか…?」
「わかりません…」
珍田一は歯痒そうな表情を浮かべ、首を横に振った
続いて、第一発見者である捜索隊8名からも発見当初の話を聞いてみた
珍田一と磯毛は8名の中に、知った顔を見付けた
陰核寺の小峰克之である。
彼は近藤晴海の行方が分からないと聞き、前回に続いて起きた元教え子の失踪事件に居ても立っても居られなくなって捜索隊に志願したそうだ
彼らが発見した時刻は朝の8時過ぎ…
8時過ぎというと、珍田一が丁度朝食を食べ終えた頃だった
「警部、今回の事件で、現在分かってる事を整理してみましょう」
「ふむ…」