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裸の傑作
第10章 傑作が生まれるとき
壁一面にアヤの撮影した、しの子の写真が飾られている。
シャープでありながら耽美な、うっとり見とれてしまう素敵な作品ばかりだ。
一人で切なげな表情を浮かべる自分、薫と睦み合う自分、快楽に溺れる自分、お腹がどんどん大きくなっていく自分。
しの子はギャラリーの中を歩き、過去の自分の姿と心の中で対話をした。
あの時は龍次郎さんとアヤさんの眼差しにすごくどきどきしたな、あの時は薫君がとっても優しかったな、でもあの時は薫君がちょっとエッチで意地悪だったな、あの時はアヤさんに励まされたな・・・。
しの子が静かに写真を鑑賞していると、ギャラリーの扉が開き一人の青年がやってきた。
「こんばんは」
「久しぶりね、薫君。すっかり大人の顔ね。仕事は順調?」
「はい、忙しいですがお蔭様で」
スーツを着た薫は爽やかに挨拶すると、しの子の元にやって来て額にキスをした。
「おかえり」
しの子は振り返り、薫に微笑んだ。
彼女の笑顔を見ると、仕事で疲れた心も春の雪のようにふんわり溶けていく。
「相変わらずアツアツなのね」
「新婚ですから」
薫は頬を赤らめて言う。
シャープでありながら耽美な、うっとり見とれてしまう素敵な作品ばかりだ。
一人で切なげな表情を浮かべる自分、薫と睦み合う自分、快楽に溺れる自分、お腹がどんどん大きくなっていく自分。
しの子はギャラリーの中を歩き、過去の自分の姿と心の中で対話をした。
あの時は龍次郎さんとアヤさんの眼差しにすごくどきどきしたな、あの時は薫君がとっても優しかったな、でもあの時は薫君がちょっとエッチで意地悪だったな、あの時はアヤさんに励まされたな・・・。
しの子が静かに写真を鑑賞していると、ギャラリーの扉が開き一人の青年がやってきた。
「こんばんは」
「久しぶりね、薫君。すっかり大人の顔ね。仕事は順調?」
「はい、忙しいですがお蔭様で」
スーツを着た薫は爽やかに挨拶すると、しの子の元にやって来て額にキスをした。
「おかえり」
しの子は振り返り、薫に微笑んだ。
彼女の笑顔を見ると、仕事で疲れた心も春の雪のようにふんわり溶けていく。
「相変わらずアツアツなのね」
「新婚ですから」
薫は頬を赤らめて言う。