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裸の傑作
第6章 ファインダー越しの夜
不安と期待で胸をバクバクさせながら、しの子はいつものアトリエへやって来た。


ドアを開けると、龍次郎が顔を出した。


「いらっしゃい」


アトリエには、しの子をモデルに描いたデッサンが飾られていた。


生々しいのにどこか現実感のない、不思議な作品。


「なかなか良いでしょ」


龍次郎は得意げな顔をしている。


「はい、見とれてしまう絵ですね」


しの子は素直な感想を述べた。


彼女は芸術のことはよくわからなかったが、このデッサンが十分魅力的であることは理解できた。
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