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第6章 ファインダー越しの夜

それから間もなく、一人の女性がアトリエにやって来た。


Tシャツにジーンズ姿の彼女が部屋に入ると、空気ががらっと変わった。


「遅くなってごめんね。あなたがしの子さん？」


彼女の艶やかな声があたりに響く。


「はい。写真家の方ですよね？」


「はい、アヤです。今日はよろしくね。」


アヤはしの子の手を取り、ふんわり握手した。


「薫君も元気そうね」


アヤは薫ににっこり微笑みかける。


しの子の中に、苦しい嫉妬心が少し芽生えた。


彼女は前から薫のことを知っている！