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裸の傑作
第6章 ファインダー越しの夜
その夜、簡単な夕飯を済ませてから、しの子は薫と一緒にアトリエのソファベッドで眠った。


薫について裸とセックスしか知らないのに、これほど彼のことが愛おしく思えるのが不思議だった。


二人は言葉を重ねず、ただ体を触れ合わせているだけで幸福だった。


私の中には、薫君の種が入っている。


しの子はお腹をさすった。


しの子はアヤにもらったアフターピルを飲んだふりをして、薫の精子を再び子宮にとどめていた。


薫君の彼女や奥さんになれなくてもいい。薫君の熱い精子が私の体の一部になればいい。


赤ちゃんができてもいい。それほど彼は私にとって素敵な人だから。


処女を捧げた男への特別な感情といえば、それまでかもしれない。


でも、しの子は確かにこの瞬間、薫を心底愛していると思った。
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