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第3章 夏祭り。全てを見せた英理

　そして夏休み。

　俺は毎年近所で開かれる夏祭りに出かけていた。
　俺達の行動範囲には浅草があり、例えば五月の三社祭や夏のサンバカーニバルなど浅草寺では大きなイベントが年に何度も開催されている。

　俺の毎年出かける近所の神社の夏祭りは、それらと比べるとごくささやかなものだ。
　神社自体もそれほど大きくも広くもない。敷地の中にご神木があり夏祭りの際にはその敷地内に所狭しと露店や屋台が並ぶ。賽銭箱がある拝殿だけはやたらに大きく、そっち方面の知識はない俺でもなんだかアンバランスに見える神社だ。

　しかし俺は、というか地元の男子は毎年この夏祭りを心待ちにしていた。

　じつはこの夏祭り。表向きは普通の、健全な、子供連れでも楽しめるお祭りなのだが、若い連中の間では「ナンパ祭り」「ヤリ祭」等と呼ばれている。
　毎年ナンパ目的の男女が集まり、お持ち帰りされる女子はいるし、そこからカップルが成立することもある。

　そしてなんと言っても最大の楽しみは、拝殿の裏手での青姦だ。青姦と言っても時間は夕方から夜にかけてだが、暗がりのあちこちでカップルがこそこそと交わっている。
　それ目的でナンパをしたりされたり、挙句にはそれを覗きにくる連中もいたりして、それがいわば「裏のメインイベント」になっている。

　今年は俺も英理という彼女を手に入れた。そこで英理を犯したい。
　俺はそのつもりでずっと準備をしてきている。