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第30章 新しい命

「怖い･･･」「行きたくない･･･」
アルマとラーラはそう言って泣き出します。

いちおう日光が射していて、奥まで見通せますが、薄暗い洞窟です。

天井にはコウモリも巣くっています。
地下水が凍みだし、壁が湿っています。
風音が響き、不気味な声のように聞こえます。

「お願い！アルマ！」
「あなた達しかいないのラーラ！」
ニーナとカトレーヌは、それぞれ自分の子供を抱きしめつつ言いました。

小さくうなずく子供たち。


洞窟の前にアルマとラーラはは立って、ゆっくりと前に進みます。

純潔の巫女であるふたりは、洞窟に入っても身体が動きます。

ひとりだったら、絶対に無理な仕事だったかもしれません。
でも、アルマの横にはラーラがいて、ラーラの横にはアルマがいます。

ふたりは手を繋いで、ゆっくりと歩きます。

そして、洞窟の奥にある木箱を空け、中に入っている紙を取り出すと、急いで母親たちの元へ走って帰りました。


ニーナとカトレーヌは、子供たちを抱きしめます。

子供たちはラッカとセバスチャンに肩車されて、洞窟を後にします。