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第12章 意地悪。

"……"

何も答えられず、
只ポカンとする私に彼女は続ける。

"ね、貴女は自分のルーツを
もっと調べるべき。
植民地支配されていた多くの国が、
解放を望み、
自らの力で立ち上がろうと
奮起出来たのは
何故だか知ってる？”

“････”

“搾取する事しか考えず、
武力をちらつかせて
不利な条件を押し付ける
そんな卑怯な白人に、
戦いを挑む勇気を見せた
貴女の故郷の影響なのよ。
だから、誇りなさい、
背筋を伸ばして前を見なさい。
日本は悪くない"

涙が溢れて
縛り付けられていた心が解放される。

痛みを、痛いと感じ、
苦しみを、苦しいと感じ、
怖さと、安堵と、自由を感じ、

アマンダの腕の中で
滅茶苦茶に泣いた。