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第12章 意地悪。

ーードン

よろめいて身体を扉にぶつけたのか？
大きな音のあと、声がドア越しに響く。

【ぁいててぇ。
スミレぇ照れてないで、開けてぇ】

『いやよ！
頭を冷やしてきなさい！』

ーーｶﾞｯｶﾞｯｶﾞ

テッドが鍵を開けようとしている。

【頭ぁ？
すごーくクリアーきんもちいいぃ、
スミレも一緒にぃ良くなろぉ、
お酒とぉ、セックスをぉ、
愉しまないとぉパリに来た意味ぃ、
無いでしょぉー】

どこがクリアーよ。
普段、爽やかで好青年なのに･･

『今、自分が何を言ってるか、
絶対分かってない･･
あ！そうだ、
娼婦がウヨウヨ居るっていう
ブローニュへ行けばいいじゃない！』

【行かない。
ロブが行こうってぇ煩く誘うから、
帰ってきたんだじょぉ。
ぼぉくは、誰でも良くないのぉ
スミレが良ぃのぉ、
スミレを愛したいのぉ、
優しーく優しーくするからぁねぇえスミレぇ】

ーーｶﾞｯｶﾞｯｶﾞ
ーーｶﾞｯｶﾞｯｶﾞ

はぁぁ。
酔っぱらった勢いで
口説かれたって全然嬉しくないよ･･