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想うより、想われる方が良い?
第12章 意地悪。
抱えていたスケッチブックも
吹っ飛んで地面に跳ねて、、
最悪な場所に。。

『嫌!』『危ないッ』

耳をつんざく髭面の警告。
そんなの完全無視で
縦列駐車中の車に飛びつく。

ーーコンコンコンッ

『ぉ、積極的だね♪乗る?』

必死の形相で窓を叩く私に
色ボケしたオッサンがニヤつきながら言う。

だけど、
戸惑ったり怯んだりしてられない、

『今すぐ車をどけて!』
『可愛いな、君。
今すぐ車に乗せて♪の間違いだろ♪』

『私の大事なスケッチが
後輪の下敷きになってるのよ!
今すぐどけないと、
この窓、ぶち割るから!』

『ん??まあまあ落ち着いて』

一秒を争う事態なのに、
チンタラするオッサンに殺意を覚える。

だって、
有名な建築、気に入った建物、
可愛い窓、変わったオブジェ、
凝った扉やセンスのあるディスプレイ、
それに・・
浮かんだアイディアも描き溜めて・・

スケッチブックは、
私の財産、私の全てだから!

それが・・
・・落ちて・・踏まれて・・

溜息を飲み込み、
車から離れて後輪に目をやると、
ドアの閉まる音がした。
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