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想うより、想われる方が良い?
第18章 私の美しいヴィオレット。
記憶が薄れている。
日本に来る前の記憶が鮮明になって
"美紗の時間"がぼやけてしまった。

(……輝昭……)

曖昧にしたくなくて
大切だった人をそっと心の中で呼んでみるが
強い感情は湧いてこない。

(傍にいなくても大丈夫だよね、
遊んでただけだもんね)

不意に輝昭の言葉を思い出す。

『俺とダーツで勝負して。
俺が勝てば一日デート、
君が勝てば一日俺を好きにして良い』

どちらに転んでも
一日デートする事になる勝負に
スミレは笑って挑戦した。

(遊びで始まったのは確かだよ。
でも‥はぁぁ。)

別れに・・、
いや心変わりに罪悪感を感じないよう、
輝昭を軽薄だと決め込もうとした自分。
それを叱る様に溜息をつき、
ちゃんと心の中で区切りをつけようと決めた。
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