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想うより、想われる方が良い?
第20章 おまけ:「どうして・・」
『無難な物を、真剣な顔でねー』

『人の様子をうかがってないで、
仕事に集中してください。
もう絵を搬入しても構わないのですか?』

ズンズンと大股で螺旋階段へ向かうブルコントの後ろで、ノエはクスクスと笑う。
その声で今度こそ本気で苛立ち、
答えを待たずに搬入へ取り掛かった。

・・が、

(はぁ。)

ノエに集中しろと言っておきながら、
自分が集中できない。

"スミレ、すごく素敵だよ"

服を選び終えた時、
下宿生テッドの声が脳内で自動再生され、
それからずっとソワソワソワソワ。

(・・人懐っこい・・だけなのでは?)

爽やかな声と快活な語調、
それを強く意識しなくても思い出せるほど
テッドは頻繁にスミレをほめていて、
ブルコントはそれを頻繁に目撃している。
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