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第20章 おまけ：「どうして･･」

わざわざ二人を並ばせなくても
このイライラで答えが出たようなものなのだが‥

（馬鹿々々しい。
こんな非生産的な時間の使い方！）

ブルコントは
検証すべき自分の気持ちから目を逸らし、
イライラの原因を別物に差し替えて自分を誤魔化した。

(だいたい二人には何の関係も無いんです。
こんなくだらない検証は･･)

中止することを決め、
立ち上がろうとした瞬間、

――コンコンｯ

『･･･』

スミレが扉をノックし、
ブルコントは思わず身構えた。

今スミレを見ると自分を誤魔化せなくなる。
そんな無意識の怯えが
"口説き口説かれる恋の駆け引きに巻き込まれたくない"と、何の脈絡もない考えを作り上げ心を抑えこむ。

何も感じないように･･
誰も愛さないように･･
二度と苦しめたり
苦しんだりしなくて良いように。