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想うより、想われる方が良い?
第7章 輝昭の事情。
女は唇を噛み、知らず奥にある寝室へ向かっていた。
ここには佐次輝昭が居る。
容姿、才能、家柄、他諸々・・
広く深ーい意味で“全て”が理想の男。
中の様子を探ったりせず、堂々と入って私を抱けと言ってやりたい。
(今は・・落ち着いて事を運ばなければ・・)
衝動的な行動で折角のチャンスを無駄にするのはいけないと自らを律し、今は少しだけ中を覗いてお終いにしようと深呼吸をする。
ーーカチャ
開けた途端、肌に当たって流れ出る空気はまるで常夏の国。
それに乗ってくる様々な匂いが、ここで繰り広げられた男女のまぐわいを伝えて女は眩暈を起こす。
ドアノブにすがりつき、部屋を見渡すと、ストーブには数時間前にくべられた薪がたっぷりの熾きになって隅々まで暖め、その前でシーツを腹に乗せただけの輝昭が大の字になって眠っている。
「お嬢様。」
小声で呼ばれ、そっとドアを閉める。
「終わったのね?」
「はい。」
侵入した気配を残さないよう細心の注意を払って二人は立ち去った。
ここには佐次輝昭が居る。
容姿、才能、家柄、他諸々・・
広く深ーい意味で“全て”が理想の男。
中の様子を探ったりせず、堂々と入って私を抱けと言ってやりたい。
(今は・・落ち着いて事を運ばなければ・・)
衝動的な行動で折角のチャンスを無駄にするのはいけないと自らを律し、今は少しだけ中を覗いてお終いにしようと深呼吸をする。
ーーカチャ
開けた途端、肌に当たって流れ出る空気はまるで常夏の国。
それに乗ってくる様々な匂いが、ここで繰り広げられた男女のまぐわいを伝えて女は眩暈を起こす。
ドアノブにすがりつき、部屋を見渡すと、ストーブには数時間前にくべられた薪がたっぷりの熾きになって隅々まで暖め、その前でシーツを腹に乗せただけの輝昭が大の字になって眠っている。
「お嬢様。」
小声で呼ばれ、そっとドアを閉める。
「終わったのね?」
「はい。」
侵入した気配を残さないよう細心の注意を払って二人は立ち去った。