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不知夜月(いざよいづき)の夜に――
第2章 三日月
フウッと深呼吸をして
彼女がまた話始めた


『私…暗いって
自分でもわかってるんです
私と居ても彼 退屈そうで
一生懸命に話そうとするんだけど
話題が合わないというか…

彼の興味の無い話題ばかりだったみたいで…

彼が私に求めたのは
体だけだったとあの日聞かされました…
そして
好きな人出来たから さよならだって…』


『それで大人しく泣いて帰った訳?』


『…だって…』


じっとカップを見詰める彼女…
僕は無性に腹が立った
彼に それ以上に彼女に


『そいつをぶん殴って
"こっちから願い下げだ"くらいに
言ってやれば良かったじゃない
悔しくないの?』


こんなこと言えば彼女を傷つけると
わかっていても止められなかった


『散々やることだけやって
別な女を見付けたからバイバイって
その男 最低だな!』


どうにも興奮して
声が大きくなった事に気付いて
慌てて珈琲を飲んだ





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