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不知夜月(いざよいづき)の夜に――
第2章 三日月
思い出せばまだ
胸の奥がチクリと痛んだ


付き合って二年
月齢カレンダーを僕の部屋に貼って
この場所から一緒に月を見た


最後の満月も…――


本当…
好きだったんだ…


歩美…




君は今
新しい誰かと
この三日月を見ているのかい?


僕はまだ
君の別れの言葉を受け入れられないでいる…


寂しくて
君が好きだった作家の本を
買いに行こうとした日に


君に少し似ている女性が
僕の前に現れたんだ


君の面影を探そうとしたけど
君よりもずっと大人しくて
壊れそうな娘なんだ…


彼女の笑顔が
ちゃんと戻るまで
見守ろうと思うんだ


君への懺悔のつもりで


傷の舐め合いかも知れないけど
それくらいは赦してくれるよね…




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