この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
不知夜月(いざよいづき)の夜に――
第3章 上弦の月
上弦の月は
輪郭がぼやけて空に佇んでいた


天気が崩れる印――


外の空気はひんやりとして
家路を急ぐ僕を包んだ






やはり
次の日から雨が続いた――


季節はすっかり秋になり
街路樹もそろそろ色を変えようとし
街を歩く人々の服も
秋色に替わった…


僕はといえば
少し肌寒い夜には
歩美の肌の温もりを思い出した


でもそれは
以前のような欲望を伴うものではなく


何とはなしに懐かしく
嫉妬した自分を赦してしまえる…


淡く清らかな恋心だったと思える


言い換えれば
季節が変わるときに感じるような
寂しさと喜びが交差する
あの穏やかな感情


そんな優しい気持ちになっていた


歩美…
君を思い出すと
決まって顔を出すのは幸さんなんだ


彼女の優しい笑顔が
君を思うときの胸の痛みを
少しづつ癒してくれてる…


でも君を忘れていく事を
悪いなんて思わないよ


今の僕は確かに
幸さんを守りたいと思ってるから


君もその方か良いよね…
早く忘れた方がいいよね―――


僕は自分の本当の気持ちに気付いた


今は…
幸さんのことを
愛しいと感じている―――


今度会ったら打ち明けよう


そう決めた






なのに…
翌日から幸さんは


コーヒーショップに姿を見せなくなった――

/39ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ