この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不知夜月(いざよいづき)の夜に――
第4章 満月
今日は満月のはずなのに
窓から見える夕空には
月は見えなかった
『古川様ですね!?』
席に座る僕にショップの店員が声を掛けた
もうすっかり顔馴染みになり
苗字まで覚えられてしまったのか…
『はい?』
笑顔を作ろうと思ったが
自分でも意外なほど落ち込んでいて
頬がひきつったまま店員の顔を見上げた
ん?
いつ苗字を教えたっけ?
彼女と話をしているのが
聴こえたのかもしれない…
いや 待てよ!?
二人の時はお互いの名前を呼んでるはずだ
どうして苗字を知ってるのだろう?
働かない思考をフル回転刺させた
『お手紙をお預りしております』
一通の手紙を渡された
『はぁ…手紙?』
思いも寄らない出来事に
僕は間抜けな返事をしていた
古川 蓮 様へ
香坂 幸より
彼女からのものだった
窓から見える夕空には
月は見えなかった
『古川様ですね!?』
席に座る僕にショップの店員が声を掛けた
もうすっかり顔馴染みになり
苗字まで覚えられてしまったのか…
『はい?』
笑顔を作ろうと思ったが
自分でも意外なほど落ち込んでいて
頬がひきつったまま店員の顔を見上げた
ん?
いつ苗字を教えたっけ?
彼女と話をしているのが
聴こえたのかもしれない…
いや 待てよ!?
二人の時はお互いの名前を呼んでるはずだ
どうして苗字を知ってるのだろう?
働かない思考をフル回転刺させた
『お手紙をお預りしております』
一通の手紙を渡された
『はぁ…手紙?』
思いも寄らない出来事に
僕は間抜けな返事をしていた
古川 蓮 様へ
香坂 幸より
彼女からのものだった