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不知夜月(いざよいづき)の夜に――
第5章 不知夜月(いざよいづき)
それはひと月前の十六夜月の夜――――




想いを告げた 満月の翌日


初めて招いた部屋から
十六夜月が綺麗に見えて
幸はうっとりと見とれてたね


ごく自然な成り行きで
どちらともなく唇を合わせた


その先に進む事さえも
当然のように窓際のベッドに倒れ込んだ


僕が幸のブラウスのボタンを外し始めた時
窓越しに差し込む月明かりが
明るすぎると言って
幸は恥ずかしがった


僕がカーテンを引いて閉めると
今度は少し開けて



『やっぱり月は観たい』と言う



『十六夜月のことを
"不知夜月"とも書くんだよ
夜を知らない月
少しでも開けたら明るいよ』と言うと



少しの戸惑いの後
幸は僕の頬に唇を寄せた



『うん…大丈夫…
こんなにロマンチックな月なんだもの…』



そうして洋服を1枚ずつ取り去り
美しい裸体を僕に見せてくれた



月明かりが
白く妖艶に照らし出していたね



それからの僕達は
欲望のままに抱き合ったっけ――





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