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不知夜月(いざよいづき)の夜に――
第1章 新月
愛らしい顔が
雨に濡れて涙しているように見えて


悲しげな表情が
今の自分と重なる


放って置けない
そんな気持ちになった


『びしょ濡れになるよ』


咄嗟に
離した腕をもう一度掴んで
雨の当たらない軒下に連れてきた


『君も傘を持って来なかったの?』


僕が話しかけると
彼女はトートバッグから
折り畳み傘を取り出した


『良かったらあなたにあげます
どうぞ使ってください』


差し出した水色の傘
持っているのに使わないって…


手にした傘に戸惑っていると


『たった今 失恋してきたの…』


彼女がポツリ呟いた…


悲しみからか
濡れたからなのか


僕の隣で
彼女が微かに震えていた


『このまま濡れて歩いたら
風邪を引いてしまうよ
少し暖まろう
時間は有るでしょ?』


返事も待たずに
僕は大通り向かい側の
コーヒーショップに向かった


掴んだ彼女の腕は
君の腕よりも細いことに気が付いたけど


今夜が新月だって事
その時の僕は
すっかり忘れてしまってた




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