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しゃぼん玉色した彼
第2章 単純な興味
「……でも、本当に嫌ならこのまま放っておいていいよ」
そう言った後、小さな声で何かをぼそぼそと言った。
うまく聞き取れなかったけど。
―――――そうしたら死ねると思うから。
確かに彼はこう言っていたと思う。
「ねえ、名前は」
「え」
私は気付けばそう尋ねていた。
目をくりくりっとさせ、彼は驚いた顔を私に向ける。
「貴方の名前。家に来るなら教えてくれてもいいでしょ?」
そうしたら、貴方は眉を下げて泣きそうなよくわからない顔で笑っていたよね。
それから。
―――――――玲於。
とだけ呟いた。
玲於。
これが私と貴方の出会い。