 この作品は18歳未満閲覧禁止です
 この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
しゃぼん玉色した彼
第2章 単純な興味

「ふうん。近くで見たら結構可愛いね」
鼻先が触れそうな距離まで顔を近付けると、ニヤリと口角を上げて彼は言った。
「騙したの!?」
「騙したなんて人聞きが悪いなあ」
「痛がってたのも嘘!?」
「嘘じゃないよ、本当に痛い。でも、介抱してもらう程でもないかなあってだけで」
「じゃあ、住む場所がないってのも……」
「それは本当」
私の言葉を遮ってきっぱりとそう言った彼はペロッと舌を出すと、
「追い出されちゃった」
とおどけたように口にした。
「……」
「あ、怒った?でもさ、俺を助けたのも何かの縁だと思って」
「……それを言うのは私だと思うんだけど」
「へへっ」
とんでもなくヤバイ人を助けてしまったのではないだろうか。
ニコニコ笑う彼の顔をよくよく見ると、まだあどけなさが残っている。
10代、なのかな。
彼は顔を上げ、真っ正面を向くとぼそっと独白するように呟いた。
 

 作品検索
 作品検索 しおりをはさむ
 しおりをはさむ 姉妹サイトリンク 開く
 姉妹サイトリンク 開く


