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しゃぼん玉色した彼
第3章 奇妙な同居生活
「だから、今日ぼんやりしていたんですね」
「え。私ぼんやりしてた?」
「ええ、割と。あ、でも他の人は気付いていないと思いますよ」
「本当に? ちょっとさ、家に来るとかないから色々探られていないかなとか心配で」
「ははっ、そうですよね。見られたくないモノぐらいありますよね。俺もそうかも」
「だよね。そういうわけだから、お先。企画頑張ってね」
「ありがとうございます。頑張ります。お疲れ様でしたー」
逢坂くんと笑顔で別れた私は、足早に帰路につく。
いつも地元の駅に到着すると、お酒や、おつまみを厳選しながら選ぶのに今日は真っ直ぐに自宅へと向かった。
玲於がいるか、確認してから買いに行ってもいいしね。
合鍵渡したし。出かけたとしても戻って来れるよね。
自分の家へ到着した時、私は軽く息が切れていた。
こんなに急いで帰って来た事ない。
見たいドラマがあったとしても、途中で見るのを諦めて結局DVDをレンタルしてしまうぐらいだ。
扉の前で鍵を取り出した私は、一度大きく深呼吸した。
気持ちを落ち着かせてから、鍵を差し込み中へと入る。