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しゃぼん玉色した彼
第3章 奇妙な同居生活
「へえ。結構綺麗にしてるんだね」
途中コンビニに寄って彼の分の食料も買った私達は、自宅に到着するとリビングへと彼を上げた。
玲於はキョロキョロと辺りを見渡しながら、そんな事を呟いている。
それなりに掃除はしているし、何より物が少ない。
「そうだ。俺、名前聞いてない」
玲於はベッドの上に腰かけると、膝の上で頬杖をつきながら私を見た。
「……桜」
「桜、ふうん」
納得したように頷いた玲於は、
「桜、おいで」
そう言って両腕を広げた。
「はっ!?」
何を言っているんだ?冗談か?そう思って彼を見るけど、真っ直ぐに私を見て笑顔を向けている。
「おいでってば」
「いや、な、なんで」
「なんでって、俺を住ませてくれるのってそういう事をしたいからでしょ?」
「そういう、事?」
「うん。寂しいからでしょ?」
「……ば、バカにしないでよ!」
動揺で声が上ずった。
独り身で寂しいから、見知らぬ男を家に招き入れたって思われたの!?
心外。私は純粋に心配だったからだ。
そんな事考えてもいなかった。