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しゃぼん玉色した彼
第1章 1
「ねえ、目を閉じてごらん?」
言われるがままに私は目を閉じて、耳を澄ます。
暗闇の中で聞こえるその声は、酷く甘美でただ私を酔わせた。
そっと冷たい彼の指が私の頬に触れた。
それだけで、ピクリと反応してしまう私は淫らだと思う。
それでも、その先が欲しくて私はぎゅっと奥歯を噛み締め続きを待つ。
静かにしてないと、彼は止めてしまうから。
頬を撫で、唇を撫で、顎までツーっと指を這わすと、クイッと私の顎を引き上げた。
「キス、してほしい?」
そんな風に言う彼は意地悪だ。
知ってた。彼が意地悪だってことぐらい。
逆らうことだって出来ない。
「して……ください」
「ふうん?」
あ、今きっと彼は笑っている。
喜んでくれた時の反応と、その声は酷似していた。
その顔が見たくて、目を開けたい衝動に駆られるけど、開けたら終わり。
不愉快そうな顔がきっと目の前で待っているだけ。
私が目を開けることなんて、彼は求めていないのだ。
言われるがままに私は目を閉じて、耳を澄ます。
暗闇の中で聞こえるその声は、酷く甘美でただ私を酔わせた。
そっと冷たい彼の指が私の頬に触れた。
それだけで、ピクリと反応してしまう私は淫らだと思う。
それでも、その先が欲しくて私はぎゅっと奥歯を噛み締め続きを待つ。
静かにしてないと、彼は止めてしまうから。
頬を撫で、唇を撫で、顎までツーっと指を這わすと、クイッと私の顎を引き上げた。
「キス、してほしい?」
そんな風に言う彼は意地悪だ。
知ってた。彼が意地悪だってことぐらい。
逆らうことだって出来ない。
「して……ください」
「ふうん?」
あ、今きっと彼は笑っている。
喜んでくれた時の反応と、その声は酷似していた。
その顔が見たくて、目を開けたい衝動に駆られるけど、開けたら終わり。
不愉快そうな顔がきっと目の前で待っているだけ。
私が目を開けることなんて、彼は求めていないのだ。