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しゃぼん玉色した彼
第3章 奇妙な同居生活
ビー玉みたいに透き通った茶色い瞳。
幼くも大人っぽくも見える彼の見た目。
鋭く睨んだ時と、笑った時のギャップが激しくて、本当に同一人物かと疑ってしまうぐらい。
放っておいたってよかった。
ああ言っていたけど、きっと泊まる場所ぐらいはあるはず。
冷静に考えたら一人も友達がいないわけないよね。
女だって。
でも、あの時は放っておけなかった。
“そうしたら死ねると思うから。”
本当に死んでしまいそうだったんだもの。
このままあの場所で眠って、死んでしまいそうに見えたんだもの。
仕方ないじゃない。
野垂れ死にされたって嫌だし。
それに、泣きそうな顔で笑った玲於が目に焼き付いて離れない。
私もつくづくお人好しだな。
金銭的に余裕はあっても、精神的にそんな余裕なんてないのに。