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第6章 6

「こういうのって訊くと白けるんでしょうけど、最初だけ訊きますね。痛くするとか、縛るとかって、どれぐらい？」
「私の場合は本当に変態だから思い切りして欲しいの。本当に痛いときは、言いますし」
「そうですか。でも跡が残ることは出来ないからなぁ……縛るとか叩くというのは限度があるというかほとんど無理か」
「あっ……そうですね」

こんな時でも冷静に分析できる遼平に驚く。
痛みや満足を与えることだけでなく、二人の秘密を守るところまで考えてくれるのが嬉しかった。
しかし彼に具体的に挙げられ、出来ることがほとんどないことに気付かされた。

「言葉で責められるのしか無理なのかな」

紫遠は残念そうに呟く。

「俺的にはそれが一番きついけどね。紫遠を罵るとか」
「でも他に……」
「まあ、考えてみる。俺には経験がないことだから。ひとまず今日は」

立ち上がった遼平に手招きされ、紫遠も後をついて行く。