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あなたが教えてくれたこと
第6章 6
そんな紫遠を嘲笑うように突如背後から髪を掴まれる。
「じゃあ誓え。何があっても俺のものだということを」
「はい。私は遼平さんのものですっ……何かあっても、生涯あなたのものになることを誓います」
掴む力はさほど強くない。彼女としてはもう少し荒々しく扱われた方が嬉しかったが、直截そう伝える訳にもいかない。
「私の身体は遼平さんのものです……叩いても、縛っても、髪を掴んで引きずり回しても構いません……ですから、私を愛して下さい」
「ほう?」
遠慮がちだった力が強くなり、顎を反らすほど髪を引っ張られる。
「いい心掛けだな」
優しく吐息をかけながら耳許で囁かれた。
『見えない』という不安は想像以上に心を脅かす。視覚が消えた分、聴覚や気配などが鋭く研ぎ澄まされるのも特徴だ。
掴んでいた髪を離した遼平が動く。足音や気配を嗅ぎ取ろうと、本能的に神経を集中させていた。
「じゃあ誓え。何があっても俺のものだということを」
「はい。私は遼平さんのものですっ……何かあっても、生涯あなたのものになることを誓います」
掴む力はさほど強くない。彼女としてはもう少し荒々しく扱われた方が嬉しかったが、直截そう伝える訳にもいかない。
「私の身体は遼平さんのものです……叩いても、縛っても、髪を掴んで引きずり回しても構いません……ですから、私を愛して下さい」
「ほう?」
遠慮がちだった力が強くなり、顎を反らすほど髪を引っ張られる。
「いい心掛けだな」
優しく吐息をかけながら耳許で囁かれた。
『見えない』という不安は想像以上に心を脅かす。視覚が消えた分、聴覚や気配などが鋭く研ぎ澄まされるのも特徴だ。
掴んでいた髪を離した遼平が動く。足音や気配を嗅ぎ取ろうと、本能的に神経を集中させていた。