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あなたが教えてくれたこと
第2章 2
見た目が西洋人風な彼は、性格も西洋風に感じた。
気さくで明るく、堅苦しさがない。
しかし勝手に他人の作る壁を乗り越えてくるような図々しさも感じた。

息子の家庭教師を『遼平』などと呼べるはずがない。
それに照れて萎縮してる智哉に友達感覚で語り掛けるのも、なんだか独り善がりにも感じた。
しかしどこか憎めないキャラクターでもある。
息を飲むほどの美男子なのに気取らない彼を思い出し、知らずと紫遠の口許は緩んでしまっていた。

夜七時になり、夕飯の支度が調ったことを義父に伝えると、自室に運ぶように命じられた。
彼は妻が亡くなってから独りで食事を摂ることが増えて来ている。
「一緒に食べましょう」と誘うことすら歯向かうことと受け取る性格なので、言われたままに食事を運んだ。

結局ダイニングには紫遠と息子と遼平の三人だけが集まっていた。

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