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あなたが教えてくれたこと
第2章 2
物怖じせずハキハキした人柄にも好感が持てた。
二十歳という彼の年齢を聞き、更に驚く。
自分がこの家に嫁いできたのと同じ年齢だが、その頃の自分と比べて遼平は大人びており、しっかりしていた。
笑いながらそのことを伝えると「お母さんは今でもうっかりが多いもんね!」と智哉がからかった。
「いやいや。すごくしっかりされてますよ」
遼平は小さく首を振りながら笑う。
「いや、本当なんですよ。恥ずかしい話、一度も独り暮らししたことないし、バイトもしたことなかったし、嫁ぐまで味噌汁だって粉末の出汁でしか作ったことなかったんですから」
自分の駄目なところを並べるのだけは得意な紫遠はここぞとばかりに饒舌になる。
「いや。そんなこと大したことじゃないですよ。そんなことより」
若き家庭教師は微笑みながら智哉の頭に手を乗せる。
「智哉君をこんなに素直で利発に育てたんですから。紫遠さんはちっとも頼りなくない」
二十歳という彼の年齢を聞き、更に驚く。
自分がこの家に嫁いできたのと同じ年齢だが、その頃の自分と比べて遼平は大人びており、しっかりしていた。
笑いながらそのことを伝えると「お母さんは今でもうっかりが多いもんね!」と智哉がからかった。
「いやいや。すごくしっかりされてますよ」
遼平は小さく首を振りながら笑う。
「いや、本当なんですよ。恥ずかしい話、一度も独り暮らししたことないし、バイトもしたことなかったし、嫁ぐまで味噌汁だって粉末の出汁でしか作ったことなかったんですから」
自分の駄目なところを並べるのだけは得意な紫遠はここぞとばかりに饒舌になる。
「いや。そんなこと大したことじゃないですよ。そんなことより」
若き家庭教師は微笑みながら智哉の頭に手を乗せる。
「智哉君をこんなに素直で利発に育てたんですから。紫遠さんはちっとも頼りなくない」