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あなたが教えてくれたこと
第2章 2
刺激の味を知ってるから一度目よりは堪えられるが、慣れられるようなものでもない。
苦しみを味わうと無関係な分泌まで促されるのか、口には唾液が溢れ、全身から汗が滲んだ。

「あ……なたっ……赦して……」

もちろん夫は怒っている訳ではなかった。
いつも通り妻を愛でているだけだ。
異常なまでの嗜虐性にいつしか紫遠も呼応してしまっている。
これが普通の夫婦の営みでないことくらいは理解しているが、それを素直に受け入れていた。

後ろ手に縛られた紫遠は立ち膝の姿勢で正嗣の腰元に縋りつく。
全裸の上に縄を縛られた彼女とは対照的に、夫の方はスーツの上着だけを脱いだ姿であった。
白いシャツにベストを着て、締めたネクタイには歪みすらない。
ズボンさえ穿いてなければ口で奉仕して、彼を悦ばせてこの苦痛から逃れてしまいたかった。
それすらも叶わず、紫遠は彼の胯間に頬ずりをするしかなかった。

『固くなってる』

ひたすら加虐するだけで、正嗣の男性は力を漲らせていた。
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