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あなたが教えてくれたこと
第3章 3
『何考えてるの、わたし』

愚かな自分を諫めながらも、心臓の鼓動は高鳴っていた。
窓辺に置かれたソファーに座り、胸元に手を置く。
ふんわりとしたパジャマを隔てて、乳首を撫でていた。
穏やかでいじらしい指遣いに、胸の突端はすぐに反応を示し始める。

不意に優しい月の光を浴びたくなり、紫遠は身に纏うもの全てを脱いでいく。
白い肢体は月光に包まれ、仄かに光るようだった。
辺りには高い建物もなく、道路とは庭を挟んでいるから隔たりもある。誰に見られる心配もなかった。
カーテンを開け広げ、大きく脚を開いて深く腰掛ける。
彼女の指は鍵盤を叩くように滑らかに、身体に触れていった。

紫遠がこうして独り慰めに耽るのは、それほど珍しいことではなかった。
夫に構って貰える時が少ないということもあるが、理由はそれだけではない。夫が勧めるという理由もあった。
性感帯がまだ未発達だった頃、成熟を早めるためにもオナニーをすることを勧められていた。

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