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あなたが教えてくれたこと
第4章 4
「あなたがしないなら俺が」
「止めてっ!!」
取り返しのつかない方向へと話が転がりだし、紫遠は尖った声を上げた。
「私のことはいいんです。それより智哉が心配で」
「智哉君も殴られたんですか?」
「いいえ。それはありません」
きっぱりと答えると遼平は「よかった」と呟き、智哉の部屋へと向かった。
ノックをしてノブを回したが、やはり施錠されていて開かない。
「智哉君、俺だ。開けてくれ」
声を掛けても中から応答はなかった。
智哉と打ち解けたこの家庭教師ならなんとかなると楽観視していたが、状況はそんなに甘くなかった。
遼平はしつこく呼びかず、スマホを取り出す。
電話をしても出ないのは紫遠も確認済みだ。
しかし彼は電話をするのではなく、メールを打ち始める。
紫遠は黙って見守るしかなかった。
メッセージを送信した遼平は無言で紫遠に頷き、ドアの向こうにいる智哉に「また来るよ」と声を掛けた。
「止めてっ!!」
取り返しのつかない方向へと話が転がりだし、紫遠は尖った声を上げた。
「私のことはいいんです。それより智哉が心配で」
「智哉君も殴られたんですか?」
「いいえ。それはありません」
きっぱりと答えると遼平は「よかった」と呟き、智哉の部屋へと向かった。
ノックをしてノブを回したが、やはり施錠されていて開かない。
「智哉君、俺だ。開けてくれ」
声を掛けても中から応答はなかった。
智哉と打ち解けたこの家庭教師ならなんとかなると楽観視していたが、状況はそんなに甘くなかった。
遼平はしつこく呼びかず、スマホを取り出す。
電話をしても出ないのは紫遠も確認済みだ。
しかし彼は電話をするのではなく、メールを打ち始める。
紫遠は黙って見守るしかなかった。
メッセージを送信した遼平は無言で紫遠に頷き、ドアの向こうにいる智哉に「また来るよ」と声を掛けた。